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歯は何で支えられているのかがカギに

歯を支えるものとは
歯は歯茎の中にある歯槽骨に支えられています。でも歯とこの骨とがつながっているだけではありません。歯と骨がそのままつながっていたなら、歯にぶつかった刺激がそのまま骨にも響いてしまうということ。骨の周りには繊細な神経が沢山ありますが、これでは歯に何かが当たる度に刺激を感じてしまいます。
人間の身体は私たち自身により良いよう構成されています。歯と歯槽骨の間には歯槽膜という薄い膜が備わっているのです。この歯槽膜がクッション役となり衝撃や伝導をやわらげています。しかも歯槽膜はこうした衝撃を和らげる緩衝材としての役割の他に、歯を支える骨を作る機能も備えているのです。
身体は古い組織がはがれ、新しい組織に生まれ変わるターンオーバーを繰り返しています。これはどの部位でも同じことなのですが、このターンオーバーにも歯槽膜が影響しているのです。
歯が動く仕組み
例えば噛み癖のある人の場合は、癖が影響して繰り返し強く噛むことによって歯が移動します。この例についてご紹介しますと、グッと力を入れて歯を噛むと、力を入れた方に重心が集まり、そうではない方は負荷が少なくなるため緩まります。これを繰り返していくことで次第に歯並びが変化してしまうのです。
この場合、歯槽膜は力が入っていない方にすき間が生じています。そして出来たすき間には新しい骨を作ろうとして身体が自然と細胞を形成するのです。骨が生まれればそこを基点として骨の構成が始まります。これを繰り返すと、次第に最初の土台の位置が変わってくる。これが噛み癖のある人の歯並びが変化してしまう構造なのです。そして、ここに矯正治療の仕組みのヒントも隠されています。